「Los Angeles留学日記」

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8月5日(日)Bangkok(タイ)- Yangon(ミャンマー)
午前6時半起床。
隣のベッドで熟睡している早田君を起こさないようにそっと起き出して部屋を出る。
たった半日とはいえ一緒に旅したパートナーとこうして別れるのは少し寂しい。

時間があったので宿の朝食をとり、バスで空港へ。
日曜朝のバンコクは名物の渋滞もなく、余裕で到着することができた。

ヤンゴン行きのミャンマー国際航空226便は午前10時5分にテイクオフ。

ベトナム行きの飛行機やカンボジア行きのバスと違い、観光客の姿はほとんど見当たらない。
軍事政権が支配するミャンマーはまだ観光地として認知されていないのだろう。
もっとも僕だってミャンマーといわれて思い出すのは「ビルマの竪琴」とアウン・サン・スーチー女史くらいのものだ。
こんな旅をしていなければ来る機会はなかったかもしれない。

午前10時45分、ヤンゴン空港に到着。
タイとの時差は30分。
1時間単位じゃない時差は初経験だ。

観光ビザは事前にバンコクで取ってあったので入国審査は問題なし。
イミグレーションを通過すると係官にパスポートをチェックされ、銀行のカウンターに向かうよう指示される。
おお、これが悪名高い強制両替か。

ミャンマーに入国する個人旅行者はここでUS200ドルを政府が発行する外貨兌換券(FEC=Foreign Exchange Certificate)に両替しなければならない。

このFECは米ドルと等価でホテル代金や寺院の入場料には使えるものの、現地通貨のチャットとは違い外貨への再両替ができない。
つまり、ミャンマー滞在中に使い切ってしまわなければただの紙切れになってしまうというシロモノなのだ。
僕のような短期滞在者が数日間で200ドルも使い切るのは物価の安いミャンマーでは難しい。

そんなわけで、なんとか両替額を抑えたい旅行者と権限を持つ係官の間に取り引きが発生するのだ。
バンコクで読んだ情報ノートによれば、係官に5ドルのワイロを渡せば両替額を100ドルにまけてもらえるという。
中には「オレは両替したくない!」と強行突破する強者もいるらしいが、僕はとりあえず素直にカウンターに向かうことにした。

『200ドルを両替しなければなりません』
「僕はミャンマーに3日間しかいないので、そんなに必要ないんですけど」
『ではいくら必要なんですか?』
「100ドルもあれば十分です」
私に特別手数料を5ドル払ってくれれば特別に100ドルにしてあげましょう』

25才くらいの女性銀行員はいともあっさりと“特別手数料”を要求してきた。
“私に”といいつつ、まるでそれが正規の手数料であるかのごとく。
ま、僕もそれを糾弾するような正義漢じゃないので(笑)、100ドルのトラベラーズチェックを渡してそれを両替してもらった。

こうして強制両替を終え税関を抜けると3つのカウンターから同時に「タクシー!」と声がかかる。
どうやらツーリストインフォメーションはなく、この旅行会社のカウンターがその機能をはたしているようだ。

その中の1つでホテルリストを見せてもらう。
2泊3日ではおそらく100ドル分のFECでさえ使うのは難しいだろう。
ここはひとつ中の上クラスのホテルに泊まってもバチは当たるまい。

というわけで紹介してもらったのは1泊25ドルのPanorama Hotel。
言い値の4ドルを3ドルにまけてもらったタクシーでホテルに向かう。

さすがは中の上。
エアコン、バス、トイレはもちろん、衛星放送テレビもある。
ただ、インターネット接続を期待した「ビジネスセンター」はただのFAXマシンとコピー機とeメールにしか使えないパソコンが1台ずつあるだけだったけれど。
フロントで聞いたところ、付近にインターネットカフェはないらしい。

荷物を置いて、さっそく街歩きに出かける。
まずはヤンゴン市内の中心にあるスーレー・パゴダ。


ここは仏陀の聖髪が納められているという仏塔で、人々が熱心に祈りを捧げている。
こぢんまりとした雰囲気で、僕はふと浅草の花やしきを思い出してしまった。

続いてヤンゴン川に近いボウタタウン・パゴタ。

入口のスピーカーからは祈りを呼びかける声(だと思う)が途切れなく流れ、イスラムのモスクから流れるアザーンを思い出させる。

こちらの塔は内部が回廊になっていてグルッと歩けるようになっているのだが、なんと内壁は鏡張り!

そういえば花やしきにも全面鏡張りの迷路があったじゃん!(笑)

その足でヤンゴン川へ。


桟橋には貨物船が並び、川に面する倉庫やトラックから荷物の積み入れがひっきりなしに行われている。
市民の憩いの場になっていたホーチミンのサイゴン川やヴィエンチャンのメコン川とはずいぶん雰囲気が違う。

引き続き街歩き。



ヤンゴンの街は期待していたよりずっと面白い。
アジアの混沌とイギリス植民地時代の面影を残す欧風建築、古さと新しさ、貧しさと豊かさ、野暮と洗練が脈絡なく共存し、角を曲がるたびに驚かされるびっくり箱のような街なのだ。
予備知識がなかったというのも大きな理由かもしれないが、街から受ける刺激という意味ではこの旅で一番かもしれない。

明日の街歩きも楽しみだ。

<今日の支出>(1B<バーツ>=約2.7円)(1K<チャット>=約0.25円)
空港使用料 500B
T/C両替手数料 US$2
“特別手数料” US$5
タクシー代 US$3
ホテル代(2泊) US$50
絵はがき3枚 30K
靴預かり(寄付) 20K
夕食(焼肉) 2690K(高い!)

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