午前8時半起床。
ゆっくりホテルの朝食を食べてチェックアウト。
歩いてワルシャワ中央駅へ。
治安があまりよくなく、スリや置き引きが多発すると聞いていたのでかなり警戒していたのだが、それらしき危険には遭遇しなかった。
まぁ、日曜の真っ昼間ということもあるのだろう。
10時35分発クラクフ行き特急は定刻通り出発。
のどかで美しい草原、田園、丘陵地帯をノンストップで走り、午後2時10分にクラクフ駅に到着した。
とりあえずツーリストインフォメーションに向かってみたが日曜日の今日は予想通りお休み。
ガイドブックを頼りに宿探しだ。
僕の狙いはバス・トイレ共同のシングルで1泊130zのホテル2軒。
だが、1軒目は満室で2軒目も1泊280zのバス・トイレつきの部屋しかないという。
さすが観光地、日曜日とはいえホテルがひっ迫している。
でもその値段じゃ予算オーバーなんだよなぁ。
よっぽど僕が困った顔をしていたのだろう、フロントのお兄さんが「しょうがないなぁ、1泊235zにディスカウントしてあげるよ」と助け船を出してくれた。
もちろんそれでもまだ予算オーバーなのだが、この時間からそれ以上の条件のホテルを探すのは難しいだろうと判断した。
というわけで、今夜の宿はDom Turystyに決定。
ホント、ポーランドはホテルだけは高い。
ベルリンに行く前にクラクフまで足を伸ばしたのはアウシュビッツ強制収容所跡を見たいと思ったから。
最寄りのオシフィエンチム駅までのバスを予約しにバスターミナルへ。
クラクフではワルシャワ以上に英語が通じず、紙に目的地を書いてようやくチケットを買うことができた。
昼食を食べようとレストランの表に張り出されているメニューを見ながら歩いていたのだが、ポーランド語の表記はまったく見当もつかない。
そんなとき、チャイニーズの安食堂を発見。
中華ならなんとかなるかと入ってみたのだけれど、これがまたチンプンカンプン。
「フライドライス」「チャオファン」なんていってもウェイトレスは首を傾げるばかり。
それでもなんとかボディーランゲージを駆使して出てきたのがこれ。
炒飯というよりドライカレーに近い味だったが、ほぼOKでしょ。
それにしてもどんなボディーランゲージでこれが出てくるんだろ(笑)。
腹ごしらえも済んだので街歩き。
まずは旧市街のど真ん中にある中央市場広場。
これがまた広いのなんの。
赤の広場と同じくらいあるんじゃないだろうか。
広場の一角に組まれたステージではなにかイベントが行われており、
かつて織物の取引所だったというマーケットは観光客でにぎわっていた。
そんな広場を素通りし、ヴァヴェル城も外から見るだけ。
というのも、ガイドブックの欄外にこんな記述を見つけたからだ。
■シンドラーの工場
ガジミエーシュ地区の南東、ヴィスワ川を渡った対岸の地域にあるリポヴァ通りLipowa4番地で、ユダヤ人が経営していたエナメル容器工場を乗っ取り、名を「ドイツエナメル容器工場」と改め、多くのユダヤ人を雇用したのが「シンドラーのリスト」の主人公オスカー・シンドラーだ。
あの映画に出てきたシンドラーの工場がクラクフにあるのならぜひ見てみたい。
だが、手がかりはこの記述だけ。
ガイドブックの地図にもホテルでもらった地図にもこのエリアは出ていない。
とりあえずヴィスワ川を渡ってリポヴァ通りを探してみることにした。
歩いている人やお店で片っ端から聞き込みしながら歩き回ること2時間。
シンドラーの工場はおろかリポヴァ通りも見つからない。
英語が通じないということもあるのかもしれないが、地元の人はシンドラーという名前にもまったく反応しない。
アカデミー賞の威光もポーランドまでは届いていないということか!?
まぁ、また明日探してみようと一旦あきらめて、かつてユダヤ人ゲットーがあったガジミエーシュ地区へ。
1本裏道に入ると廃墟っぽい建物があったりして寂しい。
イザーク・シナゴーグという博物館で第二次大戦中のドキュメンタリーフィルムを見る。
英語を話す受付のお姉さんに地図はないかと聞いてみると、「ユダヤ地区のしかないわ」。
そうそう、それが欲しかったんだってば。
シンドラーの工場について聞いてみると、それもしっかり載っている。
おおっ、これでシンドラーの工場が見られるぞ。
お礼を言って出ようとするとお姉さんが「以前に比べるとだいぶ良くなったけど夜はあまり柄のいいエリアじゃないから気をつけてね」。
確かにもう6時半を回っているが、まだ日は高い。
よし、行こう!
イザーク・シナゴーグから歩くこと20分。
橋を渡り、列車の引き込み線を越えた倉庫街のようなところにそれはあった。
これがシンドラーの工場か…。
日曜日ということであたりに人の気配はまったくないが、中を覗いてみるとどうやら現在もなにかの工場として機能しているようだ。
それにしても意外だったのはシンドラーの「シ」の字も見当たらないこと。
世界中であれだけ話題になった映画の舞台なんだから多少なりとも観光化されているだろうと考えたのは僕の邪推だった。
目的を達成できたことにおおいに満足してホテルに帰還したのだった。
<今日の支出>(1z<ズウォティ>=約29円)
電話代 46.17z
クラクフ〜オシフィエンチムのバス代 7.30z
昼食(ドライカレー風炒飯&コーラ) 12z
イザーク・シナゴーグ入場料 6z
ユダヤ地区の地図 6z
スポーツドリンク2本 8z
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