まるでミニスカポリスのような膝上20センチの制服を着た厚化粧の車掌さん(怖くて写真撮れなかった(笑))がなにやら怒鳴っていて目が覚めた。
時計を見ると午前7時半。
到着予定の9時までにはまだ時間があると昨日駅で買ったパンを食べていたら列車はいきなり駅に着いてしまった。
そう、ヘルシンキとモスクワでは1時間の時差があったのだ。
なんだか心の準備ができる前にモスクワに到着。
朝のモスクワ駅は通勤客でごった返している。
両替所が見当たらなかったので、とりあえずATMで当座のルーブルを引き出し、地下鉄駅へ。
ところが切符売り場の路線図を見てもロシア語の駅名がうまく市内地図と結びつかない。
駅員さんに聞いてもみたが英語が通じず、要領を得ない。
L.A.を発ってから1ヶ月半、ここまでは英語さえ話せば不自由なかったのだが、さすがにロシアではそうはいかないようだ。
「えぇい、乗っちゃえばなんとかなるだろう」
だいたいの方向と距離を計算し、それらしき地下鉄に乗る。
車内のアナウンスも当然聞き取れないし、ホームに駅名表示もないから、「1つ目の駅」「2つ目の駅」と数えて適当なところで降りてみた。
ロシア語の文字は半分くらいは僕の知っているアルファベットだが、残りはギリシャ文字のようなもの。
駅名や通りの名前も口に出して覚えられないから表示を見つけるたびに地図を引っぱり出して照合しなければならない。
今回はホテルにチェックインする前に早くも街歩きだ(笑)。
道行く人たちに地図を見せ、聞きまくり、汗をかきかき歩き回ること30分、ついに予約したホテルロシアにたどり着く。
さすが外国人の宿泊を受け付けているだけあって立派なホテルだ。
フロントに予約バウチャーを見せてチェックイン。
これまた豪華にツインルームのシングルユース。
こんなにいい部屋じゃなくてもいから安くしてよ(笑)。
僕のビザは明後日18日まで有効。
発行が遅れたせいでロシア国内には3日間しかいられない。
なんとか1日でもビザの延長はできないものか、街を歩きがてらNet Travel Serviceのモスクワ支店を訪ねて相談することにしよう。
ホテルロシアはクレムリンの真ん前に位置していて、玄関を出るとすぐ目の前に聖ワシリー聖堂。
これまでに見たどの宗教建築とも違った独特のデザインだ。
なんだか植物がニョキニョキと生えてきたような力強さがある。
その横を通り過ぎると赤の広場。
ソ連、ロシアで政治的事件が起こるたびにテレビ局の特派員が立ちレポートしてきた場所だ。
とにかく広い!
聖ワシリー聖堂の反対側には国立歴史博物館。
そして、クレムリンの外壁に沿ってレーニン廟。
クレムリン内部とレーニン廟はじっくり見たいから明日に回すことにしてNet Travel Serviceへ。
まず、ビザの延長はロシア国内ではできないとのこと。
これはあきらめざるを得ない。
ポイントを絞ってじっくり歩こう。
そして次の目的地であるポーランドへの移動について。
モスクワ発ワルシャワ行きの列車はベラルーシあるいはウクライナを通過するのだが、この両国に入るためにはビザが必要。
ビザの要らないエストニア、ラトビア、リトアニア経由でポーランドに入る列車の便について聞いてみた。
すると、ラトビアの首都リーガまでは列車1本で行けるが、その先は乗り換えが複雑で勧められないとのこと。
さらに「ロシアで外国人が列車の切符を買うのはいろいろ手続きが大変なんですよ。(ロシア語の話せる)私たちでもめげちゃうくらいですから」。
今朝の駅員とのやりとりを思うとその大変さは想像がつく。
結局、現実的な移動手段は飛行機ということになる。
アエロフロートの一番安いチケットを予約してもらった。
バルト3国に未練はあるが、ここは気分を切り替えるしかない。
ということで再び街歩きしているとマクドナルドを発見。
以前に、どこかの番組で「モスクワにマクドナルドの1号店がオープンして地元の若者たちが行列を作っている」という原稿を書いた記憶があるが、もしかしたらここがその店かもしれない。
これは入るしかないっしょ(笑)。
店内は行列こそないものの満席で店員さんはスマイルを忘れず、ビッグマックはこの旅で僕が食べたどのハンバーガーよりボリュームがあった。
アメリカの象徴ともいえるマクドナルドはロシアの若者にとってどんな存在なんだろう。
さらに歩いてボリショイサーカスでおなじみのボリショイ劇場。
「資本論」(僕は第1巻第1章で挫折(笑))でおなじみのカール・マルクス像。
台座に書いてある文字はたぶん「万国の労働者よ団結せよ」かなんかだろうが、僕には当然分からない(笑)。
そして旧KGB本部。
僕はKGBと聞くと、某UFO特番の旧ソ連ロケで挙動不審なためKGBに拘束されながらそれでもビデオカメラを回し続けた放送作家の大先輩Kさんの武勇伝を思い出す(笑)。
モスクワの街はこれまで歩いてきたヨーロッパの街となんとなく匂いが違う。
うまく言えないのだけれど、土の匂いがするというか、ほんの少し雑然としたアジア的な雰囲気があるような気がするのだ。
それが10年前まで続いた社会主義のためなのか、地理的、文化的な理由なのかは分からないけれど。
ホテルに帰ってテレビをつけたらあの「Who want to be a millionaire?」のロシア版が放送されていた。
言葉がロシア語であることを除けばカット割りも効果音も本家そのまんま。
アメリカはマクドナルドだけでなくヒット番組もロシアに輸出していたのだった。
<今日の支出>(1p<ルーブル>=約4円)
地下鉄代 5p
FAX受け取り料 10p
モスクワ〜ワルシャワの航空券 6232p
ビッグマックセット 82.50p
絵はがき10枚 80p
コーラ&クッキー 90p
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