「僕が出演しているテレビ番組の収録があるんですけど、よかったら見に来ませんか?」
台湾で芸人として頑張っている岩野央さんからお誘いを受けたのは昨日のことだった。
日本での番組収録なら数え切れないほど立ち会ってきたけれど、外国の番組収録を見るチャンスなんてめったにあるもんじゃない。
「ぜひお願いします」と答えておじゃまさせてもらうことにした。
地下鉄駅で岩野さんと待ち合わせして台北郊外にあるスタジオへ。
ここはあのTOKIOが台湾に来たときにライヴをやったスタジオなのだそうだ。
まずは出演者控室に入って弁当を食べる岩野さんをパチリ。
やがてディレクターとプロデューサーが登場して進行打ち合わせが始まる。
中国語はまったく分からないけれど、2人が今日の演出意図をしっかり伝えているのはなんとなく理解できる。
きっと優秀なディレクターとプロデューサーなのだろう。
岩野さんが僕をディレクターに紹介してくれて、名刺交換。
雑談しながら今日の台本(というか進行表みたいなもの)を見せてもらった。
なんでも台湾には放送作家という職種はなく、企画出しから台本・ナレーション書きまで全部ディレクターの仕事なのだという。
その辺はNHKや報道番組の一部に似ているかもしれない。
で、いよいよスタジオへ。
乾燥した塗料の匂いは日本のスタジオと変わらない。
この番組は「世界大不同」(世界は大きく違う、という意味)というタイトルで、いわば「ここがヘンだよ日本人」の台湾版。
ケーブルテレビのバラエティーでは視聴率No.1を誇る人気番組なのだそうだ。
我らが岩野さんは日本人代表として台湾人と丁々発止やるという趣向。
今日は「おばさん」というテーマなのだが、「おばさん」という日本語が「欧巴桑」という字を当てられてそのまま通用するのを初めて知った。
オープニングの音楽が流れて収録開始。
岩野さんもゲートから元気よく登場!。
番組を進行する司会者はどことなく北野誠似だ。
僕の感覚では1つ1つのトークを引っ張りすぎで間延びして感じるのだけれど、台湾のテレビではそのスピードが普通なのであって、逆に台湾の人が日本のテレビを見たらテンポが速すぎて目が回ってしまうかもしれない。
セットの裏側。
フロアのモニターに映る岩野さん。
ディレクターが赤ペン片手に司会者に指示を出しているのはカンペ。
もちろん中国語だ。
構成会議からロケ、VTR編集、MA(音入れ)までテレビ制作にはいろいろな現場があるが、やはりスタジオ収録の現場は一番緊張感がある。
思わずテレビ屋の血が騒ぎ、部外者のくせに「こうやったらもっと面白くなるのになぁ」なんていろいろ考えてしまった。
それにしても岩野さんはすごい。
中国語の討論にどんどん絡んでいって、しかも取るべき笑いをしっかり取っていく。
笑わせる必要のないクラスディスカッションの英語でさえ苦しんでいた僕とは雲泥の差だ。
約2時間半で収録終了。
岩野さんもお疲れさまでした。
夕食は辛いスープのラーメンと牛の耳、野菜炒めに水餃子。
さらに「台湾の指圧を受けたい」という僕のリクエストで岩野さんが連れていってくれたのはサウナ。
日本の健康ランドに似ているのだが、水温0度風呂というのがあるのが面白かった。
ソフトドリンクとタバコが無料というのをいいことに、2人して休憩室を喫茶店代わりに台湾のテレビについて話し込む。
ふと気づくと終電ギリギリの時間になっていたのだった。
<今日の支出>(1元<台湾元>=約3.5円)
切手5枚 42元
昼食(ビッグマックセット) 109元
地下鉄(3回分) 80元
夕食(ラーメン、牛の耳、水餃子) 300元
サウナ+指圧マッサージ 500+1500元
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