というのも、僕はオスロ駅で午前８時11分発の列車に乗り換えてフィヨルドを見にいこうと計画していたから。
午後７時以降の夜行列車に乗るときはユーレイルパスに翌日の日付を記入すればよく、うまく接続すれば使用日を節約することができる。
これを逃して翌日の列車ということになればパスを１日分よけいに使うことになってしまうのだ。

それなのに夜行列車がオスロ駅に到着したのは午前８時ちょうど。
乗り換えまで11分しかないじゃないか！

あわよくば日帰りできるかもと考えていた僕は、列車を飛び降りると駅のコインロッカーに大きな荷物を突っ込み、電光掲示板でホームを確認し、ベルゲン行きの列車に駆け込み乗車。
ふぅ、なんとか間に合った。
写真を撮る余裕なんてあったもんじゃない、といいつつ、１枚パチリ（笑）。

座席に座ろうとしたら鉄道会社のURLを見つけてまた１枚。

まったく、なにやってるんだか（笑）。

やっと落ち着いて窓から外を見ると、朝の空気が冷たく澄んでいてすべての色がくっきり見える。
日本やアメリカでは斜め上を向いている衛星放送用のパラボラアンテナがほぼ水平に取り付けられているのは緯度が高いせいだろうか。
と、変なところで北欧にいるのを実感する。

列車が市街地を抜け、森（おおっ、ノルウェーの森だ！（笑））を抜けると車窓いっぱいに美しい山と湖が広がる。

さらに走ると、あたりは雪景色になり、クロスカントリースキーを持った乗客が増えてくる。

そして、極めつけは太陽に照らされた一面の銀世界！

なんでも「スターウォーズ・帝国の逆襲」のロケもこのあたりで行われたらしい。
そういえば、そんなシーンがあったっけ。

午後12時50分、列車はミュルダール駅に到着。

ここからフィヨルドの玄関口フロムまでは登山鉄道に乗り換えて行く。
意外にもたくさんの乗客がいて登山列車は満員御礼だ。

標高867メートルのミュルダール駅から列車は急勾配をどんどん下っていく。
途中、大きな滝の前では写真撮影のために数分間停車してくれるなど、サービスも抜群だ。

１時間弱でフロム駅に到着。
いよいよここからフェリーでフィヨルドを渡っていくのだ。

ほぼ満員の乗客を乗せたフェリーはかつて100万年前氷河の底だった水道をゆっくりゆっくり進んでいく。

氷河に削り取られた1000メートル級の山々が両岸に迫る景観は絶景以外の何ものでもない。
しかも、こんな景色が２時間も続くのだ。
やっぱり自然はすげぇや。

しかし、人間もまたすごい。
こんな切り立った絶壁の間にわずかな平地を見つけて住んでいる人たちがいる。

船内の解説アナウンスによればわずか６人しか住んでいない村もあり、そこには道路も通っていないという。
もし僕がその村に生まれていたらどんな人生を送っているんだろうなぁ。

フェリーの終点はグドヴァンゲンという町。
そこから最寄りの鉄道駅まではバスに乗る。
バスが登っていく細い山道からフィヨルドの町が小さく見えていた。

ヴォス駅に到着したのは午後６時。
半分覚悟はしていたが、オスロ行きの列車はもうなかった。
やっぱり日帰りは無理だったか（笑）。

ということで宿探し。
大きな荷物もないことだし、久しぶりにユースホステルに泊まろうかと地図を頼りに訪ねてみると、それは湖に面したきれいな建物だった。

さっそくチェックインしようとすると、受付のおばちゃんがしきりにシングルを勧めてくる。
おかしいな、ユースホステル・カタログにはシングルがあるなんて書いてなかったぞ、と思いながらもおばちゃんに押し切られ部屋に入ってみると、なんのことはないドミトリーのシングルユースだった。

そういえば他に宿泊客の気配もなかったしなぁ。
でも、窓からこんな景色も見えるし、まぁいっか（笑）。

どこかで夕食でも食べようとレストラン探しも兼ねてヴォスの町を散策に出る。

ところがどっこい、シーズンオフのしかも週末の観光地に開いている店はほとんどない。
というか、ここまでどこの街にも必ずあったマクドナルドでさえ見当たらないのだ。
唯一見つけたのはガソリンスタンドに併設されているコンビニ。
仕方なくここでホットドッグを買って湖の見えるベンチで食べましたとさ。

＜今日の支出＞（１NOK＜クローネ＞＝約13円）
駅のコインロッカー　25NOK
登山鉄道フロム線　85NOK（ユーレイルパス割引）
フェリー代　80NOK（ユーレイルパス割引）
絵はがき５枚　35NOK
切手５枚　40NOK
昼食（ラザニア＆コーラ）　97.50NOK
ヴォス行きのバス　70NOK
ユースホステル宿泊料（シーツ代含む）　395NOK
明日の列車予約料　25NOK
インターネットカフェ（30分）　30NOK（でも日本語使えなかった）
夕食（ホットドッグ＆ジュース）　46NOK